ヴィクトリアマイルはエンブロイダリー完勝 “現役最強牝馬”の評価さらに加速
東京競馬場で行われたヴィクトリアマイルは、エンブロイダリーが堂々たる内容で快勝し、改めて現役牝馬トップクラスの実力を証明した。2着カムニャック、3着クイーンズウォークという結果となり、4歳牝馬世代の層の厚さも際立つ一戦となった。
レースは極端なハイペースにはならず、各騎手が仕掛けどころを探る形で進行。エンブロイダリーは中団外目でリズム良く追走し、直線では馬場の良い外へ持ち出されると一気に加速した。残り300メートル付近からは他馬との脚色差が明確になり、最後は危なげなく押し切った。
特に評価を高めたのは“展開への対応力”だ。阪神牝馬ステークスでは先行して押し切り、今回は差す競馬で完勝。ペースや位置取りに左右されにくいタイプであることを改めて示した。近年の東京芝1600mGⅠでは、「速い上がりを使えるだけ」の馬よりも、「どんな流れでも脚を使える馬」が強い傾向にあるが、エンブロイダリーはまさにその完成形に近づきつつある。
また、この勝利によってC.ルメール騎手は世界GⅠ通算100勝へ到達。東京マイルでの高い信頼感を改めて示す結果にもなった。
一方で、大外18番枠だったチェルヴィニアは伸び切れず敗戦。序盤から外を回される形になったことに加え、直線でも思ったほど加速できず、“東京マイルへの絶対適性”という部分では課題を残した。
ヴィクトリアマイルは毎年、“能力比較だけでは決まらないGⅠ”と言われ続けてきた。
だが今年は、その難解なレースでエンブロイダリーがほぼ理想形の競馬を見せたことで、“現役最強牝馬論”が一気に現実味を帯び始めている。

