シンバーシアが南総ステークスを快勝
中山競馬場で行われた芝1200mの3勝クラス・南総ステークス。今年の一戦は、馬場状態が「良」とはいえやや時計がかかるコンディションで、スプリンターにとってはタフなレースになると見られていた。気温も低く風も強かったため、前半から流れが読みづらい難しさがあった。
そんな中で勝利を収めたのが、単勝5番人気と伏兵扱いだったシンバーシア。騎乗した T.マーカンド騎手は好スタートを決めると、序盤で無理に前を追わず、馬のリズムを崩さない“溜めの競馬”を重視した。これが結果的に功を奏し、直線へ向いた時点でほぼ手応え良く先団を射程圏に捉える形となった。
直線では進路を狭くしないよう慎重に外へ誘導。そこからは持ち味の伸び脚が一気に炸裂する。残り200mで前を行く馬たちをまとめて差し切り、最後まで脚色は衰えなかった。勝ち時計は1分07秒2。重賞級馬でも太刀打ちが難しいレベルの高速タイムで、スプリント適性の高さを証明する内容だった。
陣営はレース後、「ここへきて精神的にも大きく成長している」と語り、今後はオープン入りも視野に入る様子。中山・阪神といったパワーが求められるコースで特に力を発揮しやすいタイプで、来年のスプリント重賞戦線に食い込む可能性すら感じさせる勝ちっぷりだった。

