クラウンシエンタが市川ステークスを完勝

中山10Rの市川ステークス(ダ1800m)は、昇級・降級馬の力関係が複雑になりやすいレースとして知られている。今回のメンバーも差し馬・先行馬がバランス良く揃い、展開予想が難しい一戦だったが、結果的にはクラウンシエンタが実力どおりの走りを披露した。

1番人気に支持されていた同馬は、スタートからスムーズに中団の外目へ。丹内祐次騎手は序盤で無駄に動かず、前がある程度流れているのを確認しつつ、折り合いを丁寧につけていった。この“脚を溜める”判断が的確で、向こう正面では手応え優勢のまま徐々に進出開始。

3コーナーではほぼ前を射程に捉え、4コーナーで外からスムーズに先頭へ並びかける形。そのまま直線へ向くと、追われてからぐんぐん伸び、後続に1馬身1/4の差をつけてゴール板を駆け抜けた。時計は1分52秒3と特別速いわけではないが、内容は完全に“危なげなし”。中央ダ1800mでの高い適性を改めて示すレースになった。

クラウンシエンタは近走で安定感が増しており、着順以上に内容が充実しているタイプ。丹内騎手も「まだ上を目指せる」と語っており、オープン入りが見える位置まで到達した印象だ。特に中山コースの急坂でしっかり伸びる脚を持つため、条件戦クラスでは頭ひとつ抜けた存在になりつつある。